読書録

Saturday, October 25, 2008

政治哲学速習コース(暫定)

・伊勢田哲治「動物からの倫理学入門」
・井上達夫「共生の作法」
・黒田亘「行為と規範」
・キムリッカ「現代政治理論」
・中山竜一「二十世紀の法思想」
・佐伯胖「きめ方の論理」

・ロック「統治論」(中央公論社)
・ルソー「社会契約論」「人間不平等起源論」(光文社)
・カント「道徳形而上学の基礎づけ」(以文社)
・ミル「自由論」(光文社)
・マルクス「共産党宣言」「賃労働と資本」(岩波書店)
・プラトン「国家」(岩波書店)

・ロールズ「正義論」
・ノージック「アナーキー・国家・ユートピア」
・ドウォーキン「権利論」
・セン「集合的選択と社会的厚生」

後は気の向くままに

分析哲学速習コース

ラッセル「哲学入門」

飯田隆「言語哲学大全Ⅰ~Ⅳ」

野矢茂樹「論理学」

・デカルト「省察」「哲学原理」
・バークレー「ハイラスとフィロナスの3つの対話」
・ヒューム「人間知性研究」
・カント「プロレゴメナ」
・プラトン「国家」「テアイテトス」

・野矢茂樹「『論理哲学論考』を読む」
・野矢茂樹「心と他者」
・ヴィトゲンシュタイン「論理哲学論考」
・黒田亘「経験と言語」
・黒田亘「知識と行為」

・クワイン「論理的観点から」
・クリプキ「名指しと必然性」

後は気の向くままに

Friday, October 24, 2008

国家(上・下) プラトン(著)

極論のオンパレード

古典に対する偏見としてよくあるのが、「古典には、発表当時は画期的な主張だったかもしれないが、今日では常識化した陳腐なことが書いてある」というものだ。本書を読めば、そうした思い込みがいかに間違っているかが分かるだろう。

本書は、最初から最後まで極論のオンパレードである。「真実を見通す力を持ったのは哲学者(科学者)だけだ。だから国家は哲学者(科学者)が統治すべきだ」とか、「誰もが家族のように仲良くなれるよう、赤ん坊を肉親から引き離し、誰が誰の子供だか分らないようにすべきだ」とか、「フィクションの価値はもっぱら社会に与える影響の観点から評価されるべきだ。だから青少年に有害なフィクションは徹底的に取り締まるべきだ」とか、ともかく過激な主張が続く。もし誰かが同じ主張を今ブログに書いたら、炎上しそうなことばかりだ。約2400年前に書かれた本書だが、その論争性は当時も今も変わらない。だからこその古典なのだろう。

なお、本書を読む際は、「古典は一文一文を熟読吟味しなければならない」という思い込みも捨てるようにしたい。大部なので、そんなことをしたら途中で疲れてしまうだろう。少なくとも初読時は、小説のようにサラサラと読み進めたらよいと思う。幸い、藤沢令夫の訳は大変読みやすい。