読書録

Thursday, February 26, 2004

図説 日本のマスメディア 藤竹 暁 (編集)

データの参照には便利。

統計データを多数掲載しており、日本のメディア産業の現状を概観するという意味では便利な本。ただし、本書は、中立的・説明的叙述を装いながらも、実は日本のマスコミを肯定・擁護する立場から執筆されている点に注意が必要である。例えば、「(日本の新聞について)特筆されるのは、単に発行部数が多いだけでなく、ジャーナリズムを追求する良質の一般紙が大部数を持っていることだ」という冒頭の記述には疑問を持つ読者も多いだろう。多くの文献で批判されている再販価格指定制度も本書では当然のことのように書かれている。記者クラブの問題点については言及すらされていない。