刑法入門 大塚 仁 (著)
行為無価値論を俯瞰するならコレ。
刑法学では、行為の反倫理性を重視する行為無価値論と、法益侵害とその危険性を重視する結果無価値論が対立する。著者は、前者の立場を代表する刑法学の大家。本書は講演録を下敷きにしているので、類書に比べ読みやすく、解りやすい。
大きく総論と各論に分かれるが、総論部分は、一部に著者独自の見解も見られるものの、概ね行為無価値論の標準的見解に沿って解説がされている。各論部分は、少ない紙幅の中で、きちんと各犯罪の実行の着手時期と既遂時期、それに罪数関係を明示しているのが特徴である。総論と各論のクロスレファレンスも充実している。
最近は結果無価値論に押されがちな印象もある行為無価値論であるが、日本では結果無価値論は行為無価値論に対する批判として登場してきた経緯があるので、大学などで結果無価値論の講義を受けている人でも、行為無価値論の概要を知っておくことは有益である。累次の改訂により最近の刑法改正にも対応している。
刑法学では、行為の反倫理性を重視する行為無価値論と、法益侵害とその危険性を重視する結果無価値論が対立する。著者は、前者の立場を代表する刑法学の大家。本書は講演録を下敷きにしているので、類書に比べ読みやすく、解りやすい。
大きく総論と各論に分かれるが、総論部分は、一部に著者独自の見解も見られるものの、概ね行為無価値論の標準的見解に沿って解説がされている。各論部分は、少ない紙幅の中で、きちんと各犯罪の実行の着手時期と既遂時期、それに罪数関係を明示しているのが特徴である。総論と各論のクロスレファレンスも充実している。
最近は結果無価値論に押されがちな印象もある行為無価値論であるが、日本では結果無価値論は行為無価値論に対する批判として登場してきた経緯があるので、大学などで結果無価値論の講義を受けている人でも、行為無価値論の概要を知っておくことは有益である。累次の改訂により最近の刑法改正にも対応している。
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