On Rawls: A Liberal Theory of Justice and Justification (Wadsworth Notes) Robert B. Talisse (著)
ロールズ入門としてはベストか。
アメリカの学部生を主な読者と想定して書かれたロールズ思想の入門書。第1章がロールズ思想の政治哲学上の位置付け、第2章がロールズの主著「正義論」の解説、第3章が後期のロールズの主張である「政治的リベラリズム」の説明、となっている。
叙述は政治哲学の知識のない人にも分かるよう工夫して書かれており、大変分かりやすい。例えば第1章では、コミュニタリアニズム(共同体主義)と対比することでリベラリズムを説明し、功利主義と対比することで社会契約を説明し、ロックの古典的社会契約と対比するとことでロールズの現代版社会契約を説明するといった具合に、対立する概念を持ってくることでロールズ思想の位置付けを浮かび上がらせている。なお、著者は自己の見解は挟まずに、ロールズ思想の紹介に徹している。
ロールズの解説書は既に洋書・邦書含めて何冊か出ているが、入門書としての分かりやすさという点では本書がベストではないかと思う。全体で100頁弱の小著ながら、「リベラリズムってなに?」という人でもロールズの思想を知ることができる貴重な本だ。英語も極めて読みやすい。
アメリカの学部生を主な読者と想定して書かれたロールズ思想の入門書。第1章がロールズ思想の政治哲学上の位置付け、第2章がロールズの主著「正義論」の解説、第3章が後期のロールズの主張である「政治的リベラリズム」の説明、となっている。
叙述は政治哲学の知識のない人にも分かるよう工夫して書かれており、大変分かりやすい。例えば第1章では、コミュニタリアニズム(共同体主義)と対比することでリベラリズムを説明し、功利主義と対比することで社会契約を説明し、ロックの古典的社会契約と対比するとことでロールズの現代版社会契約を説明するといった具合に、対立する概念を持ってくることでロールズ思想の位置付けを浮かび上がらせている。なお、著者は自己の見解は挟まずに、ロールズ思想の紹介に徹している。
ロールズの解説書は既に洋書・邦書含めて何冊か出ているが、入門書としての分かりやすさという点では本書がベストではないかと思う。全体で100頁弱の小著ながら、「リベラリズムってなに?」という人でもロールズの思想を知ることができる貴重な本だ。英語も極めて読みやすい。
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