Russell: A Very Short Introduction (Very Short Introductions) A. C. Grayling (著)
ラッセル思想の概観に最適。
Oxford出版から刊行されているVery Short Introductionシリーズの一冊。同シリーズは、歴史、哲学、宗教、科学、人文の各分野について英米の一流の学者が一般向けに解説するもので、岩波書店からも「1冊で分かる」シリーズという名前で邦訳が順次刊行されているが、本書の邦訳は未刊。
本書は、二十世紀最大の思想家の一人、バートランド・ラッセルの思想について概説したもの。ラッセルは数理論理学から反核運動に至るまで実に幅広い分野で活動した人だが、本書はその多岐に亘る業績を限られた分量の中で要領良く解説しており、入門書としてオススメできる。
構成は、第1章でラッセルの生涯について概観した後、第2章と第3章で数理論理学及び認識論での業績を説明し、続く第4章で政治や社会に対する発言や活動を概説した上で、第5章でラッセルの業績がその後の学問に与えた影響を評価する。叙述は全般によく整理されているが、第2章と第3章、とりわけ認識論について述べた第3章については、時々これだけでは理解が困難と思われる箇所がある。もっとも、これは内容の極度の抽象性に加えて、ラッセル自身の思想が変遷を重ねているためで、著者の責任とは言えないだろう。英語としては比較的読みやすい。
大きさは日本の新書とちょうど同じくらいなので、ポケットに入れて持ち運べる。文字がやや小さいが、慣れれば問題ない。値段も洋書にしては手ごろ。カバーのデザインがとても美しいのも特筆すべき点だ。
Oxford出版から刊行されているVery Short Introductionシリーズの一冊。同シリーズは、歴史、哲学、宗教、科学、人文の各分野について英米の一流の学者が一般向けに解説するもので、岩波書店からも「1冊で分かる」シリーズという名前で邦訳が順次刊行されているが、本書の邦訳は未刊。
本書は、二十世紀最大の思想家の一人、バートランド・ラッセルの思想について概説したもの。ラッセルは数理論理学から反核運動に至るまで実に幅広い分野で活動した人だが、本書はその多岐に亘る業績を限られた分量の中で要領良く解説しており、入門書としてオススメできる。
構成は、第1章でラッセルの生涯について概観した後、第2章と第3章で数理論理学及び認識論での業績を説明し、続く第4章で政治や社会に対する発言や活動を概説した上で、第5章でラッセルの業績がその後の学問に与えた影響を評価する。叙述は全般によく整理されているが、第2章と第3章、とりわけ認識論について述べた第3章については、時々これだけでは理解が困難と思われる箇所がある。もっとも、これは内容の極度の抽象性に加えて、ラッセル自身の思想が変遷を重ねているためで、著者の責任とは言えないだろう。英語としては比較的読みやすい。
大きさは日本の新書とちょうど同じくらいなので、ポケットに入れて持ち運べる。文字がやや小さいが、慣れれば問題ない。値段も洋書にしては手ごろ。カバーのデザインがとても美しいのも特筆すべき点だ。
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