憲法問題入門 長尾 龍一 (著)
再版を切望する。
憲法「問題」入門という一風変わったタイトルが示唆するように、本書は狭義の憲法学、つまり憲法解釈学の入門書ではない。むしろ、戦後憲法学への痛烈な批判の書である。「あとがき」で、著者は次のように述べる。
「昔の占星術とか最近の『弁証法的唯物論』とよばれたマルクス解釈学とか、多数の優秀な人材が生涯を投じた学問領域で、前提が根本的に誤っている領域は少なくない。戦後日本憲法学もそれではないか。」
憲法学批判の類には批判対象への無知と誤解に基づくものも少なくないが、本書はそうした論難とは明確に異なる。幅広い学識に裏打ちされた説得力ある批判である。著者が戦前・戦後の憲法思想のみならず、古今東西の哲学や歴史に通じていることは、本書の随所に挿入される逸話からも明らかだろう。
本書は、憲法学を全く学んだことのない人にはお勧めしない。知らないことへの批判を読んでも正しい理解には繋がらないからである。かつて大学等で一通り憲法学を学んだが、どうもしっくりこなかったという人にお勧めである。
憲法「問題」入門という一風変わったタイトルが示唆するように、本書は狭義の憲法学、つまり憲法解釈学の入門書ではない。むしろ、戦後憲法学への痛烈な批判の書である。「あとがき」で、著者は次のように述べる。
「昔の占星術とか最近の『弁証法的唯物論』とよばれたマルクス解釈学とか、多数の優秀な人材が生涯を投じた学問領域で、前提が根本的に誤っている領域は少なくない。戦後日本憲法学もそれではないか。」
憲法学批判の類には批判対象への無知と誤解に基づくものも少なくないが、本書はそうした論難とは明確に異なる。幅広い学識に裏打ちされた説得力ある批判である。著者が戦前・戦後の憲法思想のみならず、古今東西の哲学や歴史に通じていることは、本書の随所に挿入される逸話からも明らかだろう。
本書は、憲法学を全く学んだことのない人にはお勧めしない。知らないことへの批判を読んでも正しい理解には繋がらないからである。かつて大学等で一通り憲法学を学んだが、どうもしっくりこなかったという人にお勧めである。
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