読書録

Monday, February 25, 2008

モテたい理由 赤坂 真理 (著)

語るな論じろ。

タイトルと帯に魅かれて購入したが、大ハズレ。得るところは何もなかった。本書の男女論は酒井順子や小倉千加子がこれまで散々言ってきたことの焼き直しにすぎず、しかも洞察や分析の鋭さという点で、彼女らの著書に遠く及ばない。雑誌のキャッチコピーを継ぎ接ぎしたかのような纏まりのない文体は、読む者の意欲を萎えさせる。そして本書終盤で突如語られ出す体験談は、読者の共感に甘えているのだろうが、私には論旨不明であった。著者紹介によれば著者はこれまで何冊かの「小説らしきもの」を書いてきたとのことだが、本書も著者にとっては「社会評論らしきもの」なのだろう。無分類ゆえの無責任といったところか。近年新書が粗製濫造気味なのは知っていたが、講談社現代新書のような老舗でもそうとは知らなかった。本書から私が得た唯一の知見である。

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