読書録

Thursday, December 29, 2005

人間知性研究 デイヴィッド・ヒューム(著)

読みやすい。

イギリス経験論を徹底し、「数学と経験科学以外の本は火の中に投げ込め!」という過激な結論に達したヒュームの著作。その形而上学の否定は、後の論理実証主義の主張を先取りするものであった。本書でヒュームが展開した帰納の不可能性についての議論(明日、太陽が西から昇らないとどうして断言できるのか?)は、後のポパーの反証主義を理解する上で不可欠なものである。

読んでみれば分かるが、論旨は極めて明快で、大変読みやすい。翻訳はどうしても高価だが、ヒュームの英語は十八世紀のものとは思えないほど読みやすいので、原文で読むのも一手である。

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