刑法概説 平野 龍一 (著)
結果無価値論を概観するならコレ。
「わかりやすい」解説書を書くのは簡単である。具体例や図解を散りばめつつ、長々と説明すればよい。「コンパクトな」解説書を書くのも難しくない。レジュメの項目を接続詞で繋いだようなものを作ればよい。しかしふたつの要請を同時に充たす解説書を書くとなると、これは至難の業である。著者の文章力が問われるからだ。
本書は、我が国における結果無価値論の主唱者であった故平野龍一博士が、学部での講義を念頭に置いて書いた概説書である。わずか三百頁程度の紙幅の中で、刑法総論・各論の主要な問題を、驚くほどわかりやすく解説している。短い表現で事柄の本質を適格に言い表す著者の卓越した文章力には脱帽である。
初版以来一度も改訂されていないので、最近の刑法の改正(現代語化を含む)には全く対応していないが、刑法総論・各論の双方を結果無価値論の立場から一貫して解説した本書の価値は今後も変わらないだろう。
「わかりやすい」解説書を書くのは簡単である。具体例や図解を散りばめつつ、長々と説明すればよい。「コンパクトな」解説書を書くのも難しくない。レジュメの項目を接続詞で繋いだようなものを作ればよい。しかしふたつの要請を同時に充たす解説書を書くとなると、これは至難の業である。著者の文章力が問われるからだ。
本書は、我が国における結果無価値論の主唱者であった故平野龍一博士が、学部での講義を念頭に置いて書いた概説書である。わずか三百頁程度の紙幅の中で、刑法総論・各論の主要な問題を、驚くほどわかりやすく解説している。短い表現で事柄の本質を適格に言い表す著者の卓越した文章力には脱帽である。
初版以来一度も改訂されていないので、最近の刑法の改正(現代語化を含む)には全く対応していないが、刑法総論・各論の双方を結果無価値論の立場から一貫して解説した本書の価値は今後も変わらないだろう。
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