読書録

Wednesday, January 18, 2006

国際私法入門 沢木 敬郎, 道垣内 正人 (著)

全体像の把握に。

「簡にして要を得た」という表現がピッタリの教科書。全体で200ページ程度の小著ながら、国際私法の学説史から国際民事訴訟法まで解説しているので、繰り返し読んで全体像を把握するのに最適である。文章は無駄がなく、かつ、読みやすい。

本書は故澤木教授の原著を道垣内教授が改訂したものだが、累次の改訂の結果、単なる補訂に留まらず、所々で道垣内教授の自説が前面に出たものとなっている。ただ、基本的には個々の論点の詳細よりも制度とその背景の解説を中心としているので、教科書としての汎用性に欠けるところはない。共著にありがちな文体の不統一も見られない。広くお勧めできる良著である。

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