読書録

Friday, January 14, 2005

遺伝子時代の基礎知識―ゲノム科学の最先端をぜんぶ見て歩く 東嶋 和子 (著)

わかりやすい。

科学記者さんが書いた遺伝子技術をめぐる諸問題についての一般向け解説書。筆者とネコとの対話形式、というスタイルには最初「?」と思ったが、読み進むうちに気にならなくなった。内容は、第1章が遺伝子組み換え食品、第2章がDNA鑑定、第3章がクローンと遺伝子治療について。叙述は分かりやすく、また一般消費者が知りたいと思う事柄をよく網羅している。逆に、科学的知識の解説は問題の説明に必要な限度でしかなされないので、分子生物学について体系的に学びたいと思う人は別の本を参照する必要がある。遺伝子技術の社会的インパクトや倫理的問題についても触れられているが、過度に危険性を煽ったりすることなく、各技術の恩恵と問題について公平な叙述がなされている点に好感が持てた。

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